ただメタボ対策のためでなく-自転車で銭湯めぐり
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東京地方の4月は強風でのスタートであった。この時期の強風は花粉症のわたしをひときわ憂鬱にさせるのだが、時期にかかわらず、自転車に乗っているときに強い横風が吹くと歩道側あるいは車道側に流されるので案外危険である。
そんな4月1日(木)、「ツール・ド・銭湯2010」第5ステージは府中市の「さかえ湯」。自宅から近いがメガネとマスクで武装しての走行である。
京王線の東府中駅からは府中競馬正門前駅に向かう京王競馬場線が分岐しているが、さかえ湯はその競馬場線の踏切そばにある。Yahoo!地図によれば東府中駅から徒歩約6分だ。
さかえ湯の建物は破風造りで、入口には暖簾が掛かっている。番台銭湯であるので暖簾をくぐった先で男女は左右に別れる。男湯は左側である。
古い下足箱に靴を入れる。下足板は木製。脱衣所への扉はスライドさせるのではなく手前に引いて開ける。扉は手を離すと勢いよく閉まって「バタン」と大きな音を立てる。
番台にはおかみさん。おそらく60歳代。脱衣所は10畳ほどで、一般的な広さだ。男女の境は大鏡になっている。ロッカーは外壁側に10列×3段と、5列×2段×2面の島ロッカーの計50箱、3:4型のみだ。
脱衣所内の主な備付品はテレビ、ドライヤー(3分20円)、浴用品や飲み物の販売ケース、丸テーブルに椅子数脚、古くて目盛りの印字が消えかかっているアナログ体重計、そしてさかえ湯唯一のハイテク機器であろう、空気清浄機が置かれている。脱衣所の外は、建物の正面側から外壁側にかけて縁側があり、坪庭になっている。
では浴室へ。桶は黄色ケロリン。椅子は小型の丸椅子のほかに「п」型のものもいくつかある。
カランは男女境壁側より5+(5+5)+6。島カランにはシャワーヘッドがなく、また鏡は浴室入口側の1か所(両面で2か所)の手前で途切れている。境壁と外壁のカランにはシャワーヘッドが付いているが、外壁側のものは後付けしたものだ。シャワーブースは境壁側に2つあるが、通常のカランについたてとハンドシャワーを取り付けたものである。
サウナはなく、浴槽は2つ。向かって左が2人分のジェット座湯。右は5人ぐらいがゆったり入れる大きさの主浴槽で、右寄りの位置がバイブラになっているが、これら2槽は完全に区切られているわけではないので実質的には1槽である。湯温計は41°Cを指しているが体感的にはこれより若干高め。わたしにはちょうどいい温度だ。
奥壁には西伊豆を描いたペンキ画があり、「マルヤマ画」というサインが入っている。下のほうには日付が入っているようだが剥げかかっていて判読できない。
外壁は窓が大きくとられているので外光がよく入ってくる。天井は二段式ではなく天井面はフラットであるが、高さが十分なため開放感は損なわれていない。
好みの温度の湯を存分に楽しんでから脱衣所に戻ると、番台はご主人に代わっていて、相客の1人と世間話をしている。銭湯ではよくある光景だが、久しぶりの番台銭湯で見ると感慨がある。
ちょうど外に出たときに入口の電灯が点いた。暖簾は牛乳石鹸のもの。初めて見るデザインだ。
正直なところ、さかえ湯には不便なところがちょこちょことあるのだが不満に思うことはなく、なぜかその“至れり尽くせりじゃない”ところに「わたしは甘やかされすぎてはいないか? 多くを望みすぎてはいないか?」とさえ思った。
駐輪場として定められた場所はないが、一番上の写真のように入口前に停めていいようだ。わたしは入口右のコインランドリーの壁に立てかけておいた。
駐車場は数台分あるようだ。場所などについては番台で確認してほしい。
【2011年2月6日追記】
さかえ湯が1月23日を最後に営業を終了したのは別記事ですでに書いた通りだが、東京都浴場組合の廃業浴場リスト(2月2日付)に掲載された。
さかえ湯はとても古い銭湯だったが、その古さが好きだった。シンプルな構成の浴槽に浸かり、ところどころペンキが剥げかかった天井をぼーっと見ていると無心になれた。浴槽の向かって右奥からは熱い湯が出てくることがときどきあったけど、それもご愛嬌だった。
脱衣所では、おやじさんやおかみさんが常連さんとしている世間話を、服を脱ぎ着しながら聞いているのが好きだった(聞こえてくるのであって、盗み聞きしていたのではないです)。
廃業は残念でならないが、形あるものはいつかなくなる。現実は受け止めなければならない。しかし、短い間だったとはいえ行きつけの銭湯であったという思い出は残る。
さかえ湯 (府中8番)
東京都府中市八幡町2-30-20
042-363-4052
営業時間 16:00~23:00
定休日 月曜(祝日は翌日休)
そんな4月1日(木)、「ツール・ド・銭湯2010」第5ステージは府中市の「さかえ湯」。自宅から近いがメガネとマスクで武装しての走行である。
京王線の東府中駅からは府中競馬正門前駅に向かう京王競馬場線が分岐しているが、さかえ湯はその競馬場線の踏切そばにある。Yahoo!地図によれば東府中駅から徒歩約6分だ。
さかえ湯の建物は破風造りで、入口には暖簾が掛かっている。番台銭湯であるので暖簾をくぐった先で男女は左右に別れる。男湯は左側である。
古い下足箱に靴を入れる。下足板は木製。脱衣所への扉はスライドさせるのではなく手前に引いて開ける。扉は手を離すと勢いよく閉まって「バタン」と大きな音を立てる。
番台にはおかみさん。おそらく60歳代。脱衣所は10畳ほどで、一般的な広さだ。男女の境は大鏡になっている。ロッカーは外壁側に10列×3段と、5列×2段×2面の島ロッカーの計50箱、3:4型のみだ。
脱衣所内の主な備付品はテレビ、ドライヤー(3分20円)、浴用品や飲み物の販売ケース、丸テーブルに椅子数脚、古くて目盛りの印字が消えかかっているアナログ体重計、そしてさかえ湯唯一のハイテク機器であろう、空気清浄機が置かれている。脱衣所の外は、建物の正面側から外壁側にかけて縁側があり、坪庭になっている。
では浴室へ。桶は黄色ケロリン。椅子は小型の丸椅子のほかに「п」型のものもいくつかある。
カランは男女境壁側より5+(5+5)+6。島カランにはシャワーヘッドがなく、また鏡は浴室入口側の1か所(両面で2か所)の手前で途切れている。境壁と外壁のカランにはシャワーヘッドが付いているが、外壁側のものは後付けしたものだ。シャワーブースは境壁側に2つあるが、通常のカランについたてとハンドシャワーを取り付けたものである。
サウナはなく、浴槽は2つ。向かって左が2人分のジェット座湯。右は5人ぐらいがゆったり入れる大きさの主浴槽で、右寄りの位置がバイブラになっているが、これら2槽は完全に区切られているわけではないので実質的には1槽である。湯温計は41°Cを指しているが体感的にはこれより若干高め。わたしにはちょうどいい温度だ。
奥壁には西伊豆を描いたペンキ画があり、「マルヤマ画」というサインが入っている。下のほうには日付が入っているようだが剥げかかっていて判読できない。
外壁は窓が大きくとられているので外光がよく入ってくる。天井は二段式ではなく天井面はフラットであるが、高さが十分なため開放感は損なわれていない。
好みの温度の湯を存分に楽しんでから脱衣所に戻ると、番台はご主人に代わっていて、相客の1人と世間話をしている。銭湯ではよくある光景だが、久しぶりの番台銭湯で見ると感慨がある。
ちょうど外に出たときに入口の電灯が点いた。暖簾は牛乳石鹸のもの。初めて見るデザインだ。
正直なところ、さかえ湯には不便なところがちょこちょことあるのだが不満に思うことはなく、なぜかその“至れり尽くせりじゃない”ところに「わたしは甘やかされすぎてはいないか? 多くを望みすぎてはいないか?」とさえ思った。
駐輪場として定められた場所はないが、一番上の写真のように入口前に停めていいようだ。わたしは入口右のコインランドリーの壁に立てかけておいた。
駐車場は数台分あるようだ。場所などについては番台で確認してほしい。
【2011年2月6日追記】
さかえ湯が1月23日を最後に営業を終了したのは別記事ですでに書いた通りだが、東京都浴場組合の廃業浴場リスト(2月2日付)に掲載された。
さかえ湯はとても古い銭湯だったが、その古さが好きだった。シンプルな構成の浴槽に浸かり、ところどころペンキが剥げかかった天井をぼーっと見ていると無心になれた。浴槽の向かって右奥からは熱い湯が出てくることがときどきあったけど、それもご愛嬌だった。
脱衣所では、おやじさんやおかみさんが常連さんとしている世間話を、服を脱ぎ着しながら聞いているのが好きだった(聞こえてくるのであって、盗み聞きしていたのではないです)。
廃業は残念でならないが、形あるものはいつかなくなる。現実は受け止めなければならない。しかし、短い間だったとはいえ行きつけの銭湯であったという思い出は残る。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
さかえ湯 (府中8番)
東京都府中市八幡町2-30-20
042-363-4052
営業時間 16:00~23:00
定休日 月曜(祝日は翌日休)
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