ただメタボ対策のためでなく-自転車で銭湯めぐり
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「ツール・ド・銭湯2009」第18ステージは6月29日(月)、日野市の「ひの湯」。日野市ただ一軒の銭湯だ。
場所はJR中央線日野駅から近い。日野駅の東側、「日野駅入口」交差点のそばに「まぁる」という喫茶店が入った白いビルがある。ひの湯はそのビルの2階だ。目立つ看板などはないが、白い煙突は少し離れた場所からもよく見える。
階段を数段昇って建物内へ。さらに続く階段の先、左側に古い傘入れ、右側奥に下足箱が見えてくる。奥の下足箱のところへ行ってみると扉の上のすりガラスに「女湯」と入っている。男湯の入口はその手前の暖簾が掛かっているほうだ。
木製下足板の下足箱に靴を入れ、扉を開ける。番台は優しそうなおかみさんだ。脱衣所は8畳ぐらいの広さ。レトロな雰囲気だ。備付品は年代物のマッサージチェア、ドライヤー、飲み物の販売ケース、液晶テレビ、そして古いテーブル型ビデオゲーム機などだが、わたしが特に惹かれたのは「ミリンダ」の文字が入ったペプシコーラの黄色い販売ケース。懐かしい。
ロッカーは切れ込みの入ったアルミ板のカギを抜いて施錠するタイプ。男女境の壁に3:4型のものが8列×3段あり、床上数十センチの部分は常連さんの浴用品置き場になっている。島ロッカーが1つあるが、これが初めて見る幅約40cm×高さ約30cmの4:3型、しかも片面のみの4列×3段。今回は3:4型のロッカーを使用したが、ドイター・スーパーバイクがすっぽりと納まった。
浴室は広くない。入って右の角に黄色ケロリンの桶と「п」形の椅子が積まれている。タイルやカランはかなり古いもののようだ。カラン配置は6+(4+4)+6。両壁のカランには頭上に固定式のシャワーヘッドではなく、ホース付きのハンドシャワーが付いている。島カランにはシャワーなし。またシャワーブースもなし。
浴槽は洗い場より1段高くなっている。7~8人分の大きさの1槽のみ。向かって最も右の1人分だけバイブラになっている。その左にはジェットの噴出口が2人分あるが水流は出ていなかった。
湯は「ラベンダー&カモミール」、薄い紫色の薬湯だ。湯温計は42°Cを指していたがもう少し熱く感じた。
帰り際にスタンプラリーのスタンプを押してもらったら、「これ飲んでって」と栄養ドリンクをいただいた。どうしてそういう特別なサービスがあったのかわからないがなんか嬉しかった。
東京都浴場組合ホームページではひの湯はコインランドリーあり、駐車場ありとなっているが確認してくるのを忘れた。自転車は建物の階段周辺に置くことができる。
「ひの湯で寛げたか?」と訊かれればわたしの答えは「ノー」だ。脱衣所も浴室も広くはないので他の人の邪魔になっていないか気になってしまうのだ。
「それはお前が小心者だからさ」と思うかもしれない。わたしが小心者であることは認める。しかしわたしが見る限り、他のお客さんたちもやはり他の人に気を遣っているようなのだ。そう思わせる具体的な出来事があったわけではない。でもそんなふうに感じたのは事実だ。
マナーを守るのはあたりまえのことだ、とだいたいの人は思っている。しかし「どこからがマナー違反か」という点については人によって違いがある。そしてたぶん、銭湯によっても多少は異なる。
わたしがひの湯で感じたものは、小ぢんまりした銭湯に通うお客さんたちが必然的に身に付けた作法なのかもしれない。おかげで肩身の狭い思いはまったくしなかった。
「人のふり見て我がふり直せ」。寛げなかったのはそんな言葉を思い出したからかもしれない。
【2011年1月8日追記】
東京都浴場組合のサイトにある「廃業銭湯リスト」は随時更新されているのだが、2011年1月5日の更新でひの湯が載った。
ひの湯は日野市唯一の銭湯であったので、これで日野市からは銭湯が完全になくなってしまったことになる。
ひの湯はたいへん印象深い銭湯であった。広くはない脱衣所や浴室のちょっとディープな雰囲気のなか、他の人の目を気にしながら入浴したことをよく覚えている。そして同時に、常連さんの入浴作法に感銘を受けたことも覚えている。
どんな銭湯であれ廃業してしまうのは悲しいことだ。しかしとりわけひの湯の場合は、何か大切な伝統ごとこの地域から失われてしまったように思えるのが残念でならない。
ひの湯
東京都日野市日野本町3-13-16
042-583-1860
営業時間 16:00~23:00
定休日 木曜
大きな地図で見る
場所はJR中央線日野駅から近い。日野駅の東側、「日野駅入口」交差点のそばに「まぁる」という喫茶店が入った白いビルがある。ひの湯はそのビルの2階だ。目立つ看板などはないが、白い煙突は少し離れた場所からもよく見える。
階段を数段昇って建物内へ。さらに続く階段の先、左側に古い傘入れ、右側奥に下足箱が見えてくる。奥の下足箱のところへ行ってみると扉の上のすりガラスに「女湯」と入っている。男湯の入口はその手前の暖簾が掛かっているほうだ。
木製下足板の下足箱に靴を入れ、扉を開ける。番台は優しそうなおかみさんだ。脱衣所は8畳ぐらいの広さ。レトロな雰囲気だ。備付品は年代物のマッサージチェア、ドライヤー、飲み物の販売ケース、液晶テレビ、そして古いテーブル型ビデオゲーム機などだが、わたしが特に惹かれたのは「ミリンダ」の文字が入ったペプシコーラの黄色い販売ケース。懐かしい。
ロッカーは切れ込みの入ったアルミ板のカギを抜いて施錠するタイプ。男女境の壁に3:4型のものが8列×3段あり、床上数十センチの部分は常連さんの浴用品置き場になっている。島ロッカーが1つあるが、これが初めて見る幅約40cm×高さ約30cmの4:3型、しかも片面のみの4列×3段。今回は3:4型のロッカーを使用したが、ドイター・スーパーバイクがすっぽりと納まった。
浴室は広くない。入って右の角に黄色ケロリンの桶と「п」形の椅子が積まれている。タイルやカランはかなり古いもののようだ。カラン配置は6+(4+4)+6。両壁のカランには頭上に固定式のシャワーヘッドではなく、ホース付きのハンドシャワーが付いている。島カランにはシャワーなし。またシャワーブースもなし。
浴槽は洗い場より1段高くなっている。7~8人分の大きさの1槽のみ。向かって最も右の1人分だけバイブラになっている。その左にはジェットの噴出口が2人分あるが水流は出ていなかった。
湯は「ラベンダー&カモミール」、薄い紫色の薬湯だ。湯温計は42°Cを指していたがもう少し熱く感じた。
帰り際にスタンプラリーのスタンプを押してもらったら、「これ飲んでって」と栄養ドリンクをいただいた。どうしてそういう特別なサービスがあったのかわからないがなんか嬉しかった。
東京都浴場組合ホームページではひの湯はコインランドリーあり、駐車場ありとなっているが確認してくるのを忘れた。自転車は建物の階段周辺に置くことができる。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「ひの湯で寛げたか?」と訊かれればわたしの答えは「ノー」だ。脱衣所も浴室も広くはないので他の人の邪魔になっていないか気になってしまうのだ。
「それはお前が小心者だからさ」と思うかもしれない。わたしが小心者であることは認める。しかしわたしが見る限り、他のお客さんたちもやはり他の人に気を遣っているようなのだ。そう思わせる具体的な出来事があったわけではない。でもそんなふうに感じたのは事実だ。
マナーを守るのはあたりまえのことだ、とだいたいの人は思っている。しかし「どこからがマナー違反か」という点については人によって違いがある。そしてたぶん、銭湯によっても多少は異なる。
わたしがひの湯で感じたものは、小ぢんまりした銭湯に通うお客さんたちが必然的に身に付けた作法なのかもしれない。おかげで肩身の狭い思いはまったくしなかった。
「人のふり見て我がふり直せ」。寛げなかったのはそんな言葉を思い出したからかもしれない。
【2011年1月8日追記】
東京都浴場組合のサイトにある「廃業銭湯リスト」は随時更新されているのだが、2011年1月5日の更新でひの湯が載った。
ひの湯は日野市唯一の銭湯であったので、これで日野市からは銭湯が完全になくなってしまったことになる。
ひの湯はたいへん印象深い銭湯であった。広くはない脱衣所や浴室のちょっとディープな雰囲気のなか、他の人の目を気にしながら入浴したことをよく覚えている。そして同時に、常連さんの入浴作法に感銘を受けたことも覚えている。
どんな銭湯であれ廃業してしまうのは悲しいことだ。しかしとりわけひの湯の場合は、何か大切な伝統ごとこの地域から失われてしまったように思えるのが残念でならない。
ひの湯
東京都日野市日野本町3-13-16
042-583-1860
営業時間 16:00~23:00
定休日 木曜
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