ただメタボ対策のためでなく-自転車で銭湯めぐり
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「ツール・ド・銭湯2012」第6ステージは、9月10日(月)、「正徳寺温泉 初花」(以下、「初花」)。山梨県山梨市にある温泉入浴施設である。最寄駅はJR中央本線の春日居町駅であるが、場所はちょっとわかりにくい。初花の近くまで行けば案内板はあるものの、クルマの場合は見落とす可能性があるので、まずは広範囲に案内がある根津記念館を目指して行くのがいいと思う。なお、周辺は道が狭いところがあるのでご注意を。また、山梨市駅から近くを通る市営バスがあるようだ。
13:30に到着。駐車場は建物の正面に30台分ほどある。さらに、建物の左手に第2駐車場がある。
自転車で来る客はほとんど想定していないのだろう、駐輪場として指定されている場所はないが、正面の駐車場の隅のほうに自転車が2台停められているのを見つけたので、そこに並べてレンタサイクルを置いた。
建物入口の引き戸を開けるとカギ付きの下足箱がある。下足箱に靴を入れたら、入浴料とともにそのキーをフロントに出すと、脱衣所のロッカーキーを渡される。
浴場へはフロントの右横にあるドアから。廊下を進むとそこは別棟である。奥には男湯、女湯の入口が並んでいる。男湯は右側。浴室の男女入替が行われているのかどうかはわからない。
脱衣所は8畳ほどの広さ。向かい合った2つの壁にはいずれも端から端までロッカーユニットが置かれ、さらに部屋の中央にもロッカーユニットが2つ背中合わせに並べられていて少々狭い。ロッカーの各箱は幅40cm、高さ60cmほどの大きさ。下から10cmくらいのところに棚板がある。
脱衣所内の主な備付品は洗面台×3、ドライヤー×2、ごく普通のヘルスメーター。ティッシュペーパーや綿棒はなし。マッサージチェアなどは先ほど歩いてきた廊下にある。
浴室は一般的な銭湯と同じくらいの広さ。右側の壁には浴槽が2つあり、左側の壁にはカランが8つ並んでいる。また、右側の壁(外壁)と正面(奥壁)の大部分はガラス張りになっていて、その先には露天スペースが広がっている。
まず内湯から。出入口側にある浴槽には「源泉浴槽 36°C」の標示があって、オーバーフローもしている。入ってみるとかなりぬるいが、冷たいとまでは感じない。おふろの王様の「不感温度風呂」とほぼ同じ感覚だ。脱衣所側の壁にはこの温泉のちょっと難しい地学的背景も含めた特徴を記した巨大な掲示があるが、ぬる湯なので浸かったままじっくりと読むことができる。
湯は薄い黄褐色でほぼ無臭。強いヌルスベ感がある。飲泉もできるようなので飲んでみた。舌にまとわりつく感じが少しあるものの、これといって特徴的な味はないので、入浴中の水分補給として結構飲んだ。ウィスキーとか焼酎をこの温泉で割って呑むと旨いかもしれない。なお、源泉温度は38°Cだそうだ。
内湯のもうひとつの浴槽は「高温浴槽」の標示。「高温」とはいっても源泉浴槽より高温なだけで、体感では40°Cくらい。大きさは10人分ほど。
次に露天スペース。露天スペースの大部分には屋根があるので雨の日でも大丈夫だ。露天スペースにあるのは大浴槽、打たせ湯、ジェット湯、座湯、樽風呂、サウナ、水風呂。
大浴槽は10~15人分の大きさ。湯温は内湯の源泉浴槽と同じ。この湯温の露天だと冬場は寒いと思うが、今の時期ならちょうどいい。微かに塩素臭を感じた。循環しているものと思われる。
打たせ湯は大浴槽の一角に設けられている。1.5mほどの高さのところにある湯出口から湯が流れ落ちている。
ジェット湯と座湯は内湯側の壁沿いにある。ジェット湯は幅の狭い2人分。座湯はリクライニングの角度が大きく、寝湯に近い。丸石が敷きつめられた座面に木の枕、ステンレスの手すりといった仕様で、ジェットなどの仕掛けはなし。ただ座るだけの風呂なのだが、手すりを持っていないと座面の傾きと形状のせいで身体が湯の中へ滑り落ちていく。どうしてこういう設計になっているのか疑問である。
樽風呂は、直径2mほどもある大きな樽を浴槽として用いた風呂である。1人で入るとこのうえない占有感が味わえる。知っている人と2人なら貸切風呂のようになるだろう。ただし、知らない人と2人だとかなり遠慮がちにならなければならない微妙な大きさでもある。なお、ここも湯温は低い。
サウナは、露天スペースの中に建てられたサウナ小屋という形である。追加料金はもちろん要らないのだが入らなかった。小屋の大きさから見て、定員は4~5名ではないかと思う。水風呂はサウナ小屋の隣に設置されている。
特筆すべきは、露天スペースから見る景色である。露天スペースは目隠しの柵で囲まれているので、湯に浸かった状態では景色を見ることはできないが、樽風呂の踏み台など少し高くなっているところがあって、そこに立つと胸から上くらいが柵を越え、ベイシアがある方向の斜面が見えるのだ。この時の相客はみな地元の方のようで、柵の外を眺める人はいなかったが、東京で育ち、東京で暮らしているわたしには感動モノであった。
中央やや右に見える山が富士山。写真だとこんな感じだが、肉眼だともう少し大きく、はっきり見える。男湯からは見えない。
湯量豊富な温泉では珍しくないが、初花ではカラン、シャワーにも温泉を使用している。さらに、浴場内のすべての湯の中でカラン、シャワーから出てくるものが最もヌルスベが強いように感じた。内湯の源泉浴槽の湯よりも、である。内湯の源泉浴槽は循環併用なのかもしれない。
脱衣所から廊下に出ると、正面に石鉢と柄杓が置かれた一角がある。ペットボトル1本(容量については記載がなかった)まで温泉水を汲んで持ち帰ってよいようだが、生憎ペットボトルを持っていなかったので、温泉水を持ち帰ることはできなかった。
廊下を進んで、フロントがある棟に戻る。廊下の向かいは食事処である。フロントの横に上にあがる階段があるので、2階には何があるのか尋ねたところ、個室と大広間とのこと。これらの個室、大広間とも600円の入浴料では使用できない。600円で使用できるのは1階にある4~5畳ほどの小上がりと、その先にあるウッドデッキのみと少々寂しい気がするが、ぬる湯で長風呂になりがちなことを考えるとこれで十分かも知れない。
初花を出た。山梨市駅までは2キロ少々である。笛吹川沿いを、風景を目に焼き付けるようにゆっくり走り、山梨市駅周辺をちょっとだけ散策してから街の駅やまなしに自転車を返却した。
中年男のレンタサイクル一人旅、傍目には不気味に映るかもしれないが当人としてはすこぶる楽しかった。わたしが調べたところでは、甲州市(塩山駅)、笛吹市(石和温泉駅)、甲府市(甲府駅)にも同様のレンタサイクルサービスがあり、いずれも数百円程度の料金で朝から夕方まで自転車を借りられる。これは非常によいサービスだと思う。旅行者はある程度の機動性を持った移動手段を低料金で得ることができるからだ。
今回のわたしのように、ほぼフルタイムで借りるという利用法だけではなく、極端なことを言えば初花までの往復のためだけにレンタサイクルを使ってもいい。費用はたったの100円で歩く手間が省け、バスの時間を気にする必要も無くなるのだ。これで旅行者はハッピー、初花も客が増えてハッピー、山梨市も観光収入が増えてハッピー、に違いない。
このサービスの認知度が高まれば、上記各市のあちこちにある温泉に訪れる人が増えるのではないだろうか。
正徳寺温泉 初花
山梨県山梨市正徳寺1093-1
0553-22-6377
営業時間 10:00~21:30
定休日 木曜
料金 600円(3時間)
※詳細は「正徳寺温泉 初花」のウェブサイトをご覧ください。
13:30に到着。駐車場は建物の正面に30台分ほどある。さらに、建物の左手に第2駐車場がある。
自転車で来る客はほとんど想定していないのだろう、駐輪場として指定されている場所はないが、正面の駐車場の隅のほうに自転車が2台停められているのを見つけたので、そこに並べてレンタサイクルを置いた。
建物入口の引き戸を開けるとカギ付きの下足箱がある。下足箱に靴を入れたら、入浴料とともにそのキーをフロントに出すと、脱衣所のロッカーキーを渡される。
浴場へはフロントの右横にあるドアから。廊下を進むとそこは別棟である。奥には男湯、女湯の入口が並んでいる。男湯は右側。浴室の男女入替が行われているのかどうかはわからない。
脱衣所は8畳ほどの広さ。向かい合った2つの壁にはいずれも端から端までロッカーユニットが置かれ、さらに部屋の中央にもロッカーユニットが2つ背中合わせに並べられていて少々狭い。ロッカーの各箱は幅40cm、高さ60cmほどの大きさ。下から10cmくらいのところに棚板がある。
脱衣所内の主な備付品は洗面台×3、ドライヤー×2、ごく普通のヘルスメーター。ティッシュペーパーや綿棒はなし。マッサージチェアなどは先ほど歩いてきた廊下にある。
浴室は一般的な銭湯と同じくらいの広さ。右側の壁には浴槽が2つあり、左側の壁にはカランが8つ並んでいる。また、右側の壁(外壁)と正面(奥壁)の大部分はガラス張りになっていて、その先には露天スペースが広がっている。
まず内湯から。出入口側にある浴槽には「源泉浴槽 36°C」の標示があって、オーバーフローもしている。入ってみるとかなりぬるいが、冷たいとまでは感じない。おふろの王様の「不感温度風呂」とほぼ同じ感覚だ。脱衣所側の壁にはこの温泉のちょっと難しい地学的背景も含めた特徴を記した巨大な掲示があるが、ぬる湯なので浸かったままじっくりと読むことができる。
湯は薄い黄褐色でほぼ無臭。強いヌルスベ感がある。飲泉もできるようなので飲んでみた。舌にまとわりつく感じが少しあるものの、これといって特徴的な味はないので、入浴中の水分補給として結構飲んだ。ウィスキーとか焼酎をこの温泉で割って呑むと旨いかもしれない。なお、源泉温度は38°Cだそうだ。
内湯のもうひとつの浴槽は「高温浴槽」の標示。「高温」とはいっても源泉浴槽より高温なだけで、体感では40°Cくらい。大きさは10人分ほど。
次に露天スペース。露天スペースの大部分には屋根があるので雨の日でも大丈夫だ。露天スペースにあるのは大浴槽、打たせ湯、ジェット湯、座湯、樽風呂、サウナ、水風呂。
大浴槽は10~15人分の大きさ。湯温は内湯の源泉浴槽と同じ。この湯温の露天だと冬場は寒いと思うが、今の時期ならちょうどいい。微かに塩素臭を感じた。循環しているものと思われる。
打たせ湯は大浴槽の一角に設けられている。1.5mほどの高さのところにある湯出口から湯が流れ落ちている。
ジェット湯と座湯は内湯側の壁沿いにある。ジェット湯は幅の狭い2人分。座湯はリクライニングの角度が大きく、寝湯に近い。丸石が敷きつめられた座面に木の枕、ステンレスの手すりといった仕様で、ジェットなどの仕掛けはなし。ただ座るだけの風呂なのだが、手すりを持っていないと座面の傾きと形状のせいで身体が湯の中へ滑り落ちていく。どうしてこういう設計になっているのか疑問である。
樽風呂は、直径2mほどもある大きな樽を浴槽として用いた風呂である。1人で入るとこのうえない占有感が味わえる。知っている人と2人なら貸切風呂のようになるだろう。ただし、知らない人と2人だとかなり遠慮がちにならなければならない微妙な大きさでもある。なお、ここも湯温は低い。
サウナは、露天スペースの中に建てられたサウナ小屋という形である。追加料金はもちろん要らないのだが入らなかった。小屋の大きさから見て、定員は4~5名ではないかと思う。水風呂はサウナ小屋の隣に設置されている。
特筆すべきは、露天スペースから見る景色である。露天スペースは目隠しの柵で囲まれているので、湯に浸かった状態では景色を見ることはできないが、樽風呂の踏み台など少し高くなっているところがあって、そこに立つと胸から上くらいが柵を越え、ベイシアがある方向の斜面が見えるのだ。この時の相客はみな地元の方のようで、柵の外を眺める人はいなかったが、東京で育ち、東京で暮らしているわたしには感動モノであった。
中央やや右に見える山が富士山。写真だとこんな感じだが、肉眼だともう少し大きく、はっきり見える。男湯からは見えない。
湯量豊富な温泉では珍しくないが、初花ではカラン、シャワーにも温泉を使用している。さらに、浴場内のすべての湯の中でカラン、シャワーから出てくるものが最もヌルスベが強いように感じた。内湯の源泉浴槽の湯よりも、である。内湯の源泉浴槽は循環併用なのかもしれない。
脱衣所から廊下に出ると、正面に石鉢と柄杓が置かれた一角がある。ペットボトル1本(容量については記載がなかった)まで温泉水を汲んで持ち帰ってよいようだが、生憎ペットボトルを持っていなかったので、温泉水を持ち帰ることはできなかった。
廊下を進んで、フロントがある棟に戻る。廊下の向かいは食事処である。フロントの横に上にあがる階段があるので、2階には何があるのか尋ねたところ、個室と大広間とのこと。これらの個室、大広間とも600円の入浴料では使用できない。600円で使用できるのは1階にある4~5畳ほどの小上がりと、その先にあるウッドデッキのみと少々寂しい気がするが、ぬる湯で長風呂になりがちなことを考えるとこれで十分かも知れない。
初花を出た。山梨市駅までは2キロ少々である。笛吹川沿いを、風景を目に焼き付けるようにゆっくり走り、山梨市駅周辺をちょっとだけ散策してから街の駅やまなしに自転車を返却した。
中年男のレンタサイクル一人旅、傍目には不気味に映るかもしれないが当人としてはすこぶる楽しかった。わたしが調べたところでは、甲州市(塩山駅)、笛吹市(石和温泉駅)、甲府市(甲府駅)にも同様のレンタサイクルサービスがあり、いずれも数百円程度の料金で朝から夕方まで自転車を借りられる。これは非常によいサービスだと思う。旅行者はある程度の機動性を持った移動手段を低料金で得ることができるからだ。
今回のわたしのように、ほぼフルタイムで借りるという利用法だけではなく、極端なことを言えば初花までの往復のためだけにレンタサイクルを使ってもいい。費用はたったの100円で歩く手間が省け、バスの時間を気にする必要も無くなるのだ。これで旅行者はハッピー、初花も客が増えてハッピー、山梨市も観光収入が増えてハッピー、に違いない。
このサービスの認知度が高まれば、上記各市のあちこちにある温泉に訪れる人が増えるのではないだろうか。
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正徳寺温泉 初花
山梨県山梨市正徳寺1093-1
0553-22-6377
営業時間 10:00~21:30
定休日 木曜
料金 600円(3時間)
※詳細は「正徳寺温泉 初花」のウェブサイトをご覧ください。
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