ただメタボ対策のためでなく-自転車で銭湯めぐり
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「ツール・ド・銭湯2009」第31ステージは9月14日(月)。
上水湯廃業という事実に足と気分がかなり重くなってしまった。臨時休業ならば日を改めて来ればいいが、廃業となるともう入浴することはできないからだ。
ショックのあまりこのまま家に帰ってしまおうかとさえ思ったが、どうにか気を取り直して小金井市の「ぬくい湯」に向かった。
ぬくい湯は小金井市でただ一軒の銭湯である。最寄駅はJR中央線の武蔵小金井駅だが駅からは結構遠い。ぬくい湯の近くにバス停があるので駅からバスを利用するのが便利だ。
さて、ぬくい湯の建物だがおよそ銭湯らしい外観ではない。かなり古いコンクリート2階建てで、「どんな小さな工事もご相談下さい……佐藤工務店」という看板が掲げられているから、1階が店舗兼作業場、2階が自宅兼事務所のようにしか見えない。高い煙突があるにはあるが、それだって思い込みが強ければ作業場の煙突に見えてしまいそうだ。
入口は少々奥まっていて、屋号が染め抜かれた暖簾が掛かっている。古い下足箱が手前と奥に2列並んでいる。下足板はもちろん木製だ。下足箱は手前が男性用、奥が女性用である。このようなレイアウトになっているのは脱衣所と浴室が通りに沿って並んでいるからで、つまり男湯の脱衣所と浴室は建物の表側にあり、女湯は裏側にある。
入口は変則レイアウトでも、引き戸を開けて中に入ってしまえば通常と変わりはない。番台があっておかみさんが座っている。脱衣所は奥に長い形状で、中央部に応接セットが配置され、男女境は大鏡になっている。
備付品は小さな飲み物販売ケース、洗面台、ドライヤー(30円)×1、アナログ体重計といたってシンプル。ロッカーは3:4型のものが外壁側に10列×3段、境壁の大鏡の下に7列×2段。シリンダー錠で施錠するかなり古いもので、よく見ると筆記体で「Oshidori」というロゴが入っている。愛用のドイター・スーパーバイクは無理なく収まった。ロッカーはこのほかに小さな箱がいくつかある。
浴室もやはり奥行が広い形状で、天井はあまり高くない。にもかかわらず湯気がこもらないのは、外壁に取り付けられた大きな換気扇が回っているからだ。
奥壁はペンキ画ではなくタイル画で、ヨーロッパの湖畔のような風景が描かれている。男女境壁もタイル画で、こちらは風車小屋。カラン周りや床のタイルは古い。
カラン配置は7+(6+6)+7。境壁は脱衣所側から6か所がシャワーヘッド付きで、浴槽側の1か所がハンドシャワー付き。外壁側は逆に脱衣所側の1か所がハンドシャワー付きで、他は柱が張り出している1か所を除いてシャワーヘッド付き。島カランは鏡のみでシャワーヘッドはない。また、シャワーブースはない。
浴槽は特筆すべきだ。ぬくい湯によれば青森ヒバ材でできているそうだ。木製の浴槽は手入れを怠ると黒ずんで表面がヌメヌメしてしまうイメージがあるが、ここのは白く、ヌメリはない。よほど丁寧に清掃しているのだろう。
浴槽は1槽のみ。右からおよそ3分の1くらいの位置で木の板により仕切られているが、この板は底までは達していない。仕切りの左側はおよそ5人分の大きさで、2人分のジェット噴出口から水流が出ている。右側は3人ではちょっと窮屈な大きさで、奥側から気泡が出ている。湯温計が付いていて44°Cのわずか下を指していたが、体感上はそれほど熱くなく、適温であった。
脱衣所のマガジンラックには『1010』第92号以降のバックナンバーが揃っていたので未入手のものをいただいてきた。古い号ほど在庫が少ないので、お持ちでない方はお急ぎを。
ぬくい湯に駐車場はない。コインパーキングも近くには見当たらない。自転車は入口付近に置くことになるが、スペースはあまりない。壁沿いに置けないこともないが、歩道が狭いのでくれぐれも歩行者等の邪魔にならないようご注意をお願いする。
小金井市にただ一軒残った銭湯は古い。改修らしい改修はおそらくされていないだろう。建物はもちろん、カランもタイルも古いままだ。サウナはもちろんシャワーブースもない。
小金井市にただ一軒残った銭湯はちょっと狭い。脱衣所ではロッカーの前に立った人の後ろを通るのは難しいし、浴室は奥行こそあるが天井が低く、開放感があるとは言えない。
だが小金井市にただ一軒残った銭湯にはぬくもりがある。湯のぬくもり、青森ヒバの木のぬくもり、そして番台のぬくもり。
小金井市にただ一軒残った銭湯… できるだけ長く続いてほしい。
ぬくい湯 (小金井1番)
東京都小金井市貫井北町3-4-4
042-383-5757
営業時間 16:00~23:00
定休日 5、15、25日(日曜、祝日は翌日休)
大きな地図で見る
上水湯廃業という事実に足と気分がかなり重くなってしまった。臨時休業ならば日を改めて来ればいいが、廃業となるともう入浴することはできないからだ。
ショックのあまりこのまま家に帰ってしまおうかとさえ思ったが、どうにか気を取り直して小金井市の「ぬくい湯」に向かった。
ぬくい湯は小金井市でただ一軒の銭湯である。最寄駅はJR中央線の武蔵小金井駅だが駅からは結構遠い。ぬくい湯の近くにバス停があるので駅からバスを利用するのが便利だ。
さて、ぬくい湯の建物だがおよそ銭湯らしい外観ではない。かなり古いコンクリート2階建てで、「どんな小さな工事もご相談下さい……佐藤工務店」という看板が掲げられているから、1階が店舗兼作業場、2階が自宅兼事務所のようにしか見えない。高い煙突があるにはあるが、それだって思い込みが強ければ作業場の煙突に見えてしまいそうだ。
入口は少々奥まっていて、屋号が染め抜かれた暖簾が掛かっている。古い下足箱が手前と奥に2列並んでいる。下足板はもちろん木製だ。下足箱は手前が男性用、奥が女性用である。このようなレイアウトになっているのは脱衣所と浴室が通りに沿って並んでいるからで、つまり男湯の脱衣所と浴室は建物の表側にあり、女湯は裏側にある。
入口は変則レイアウトでも、引き戸を開けて中に入ってしまえば通常と変わりはない。番台があっておかみさんが座っている。脱衣所は奥に長い形状で、中央部に応接セットが配置され、男女境は大鏡になっている。
備付品は小さな飲み物販売ケース、洗面台、ドライヤー(30円)×1、アナログ体重計といたってシンプル。ロッカーは3:4型のものが外壁側に10列×3段、境壁の大鏡の下に7列×2段。シリンダー錠で施錠するかなり古いもので、よく見ると筆記体で「Oshidori」というロゴが入っている。愛用のドイター・スーパーバイクは無理なく収まった。ロッカーはこのほかに小さな箱がいくつかある。
浴室もやはり奥行が広い形状で、天井はあまり高くない。にもかかわらず湯気がこもらないのは、外壁に取り付けられた大きな換気扇が回っているからだ。
奥壁はペンキ画ではなくタイル画で、ヨーロッパの湖畔のような風景が描かれている。男女境壁もタイル画で、こちらは風車小屋。カラン周りや床のタイルは古い。
カラン配置は7+(6+6)+7。境壁は脱衣所側から6か所がシャワーヘッド付きで、浴槽側の1か所がハンドシャワー付き。外壁側は逆に脱衣所側の1か所がハンドシャワー付きで、他は柱が張り出している1か所を除いてシャワーヘッド付き。島カランは鏡のみでシャワーヘッドはない。また、シャワーブースはない。
浴槽は特筆すべきだ。ぬくい湯によれば青森ヒバ材でできているそうだ。木製の浴槽は手入れを怠ると黒ずんで表面がヌメヌメしてしまうイメージがあるが、ここのは白く、ヌメリはない。よほど丁寧に清掃しているのだろう。
浴槽は1槽のみ。右からおよそ3分の1くらいの位置で木の板により仕切られているが、この板は底までは達していない。仕切りの左側はおよそ5人分の大きさで、2人分のジェット噴出口から水流が出ている。右側は3人ではちょっと窮屈な大きさで、奥側から気泡が出ている。湯温計が付いていて44°Cのわずか下を指していたが、体感上はそれほど熱くなく、適温であった。
脱衣所のマガジンラックには『1010』第92号以降のバックナンバーが揃っていたので未入手のものをいただいてきた。古い号ほど在庫が少ないので、お持ちでない方はお急ぎを。
ぬくい湯に駐車場はない。コインパーキングも近くには見当たらない。自転車は入口付近に置くことになるが、スペースはあまりない。壁沿いに置けないこともないが、歩道が狭いのでくれぐれも歩行者等の邪魔にならないようご注意をお願いする。
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小金井市にただ一軒残った銭湯は古い。改修らしい改修はおそらくされていないだろう。建物はもちろん、カランもタイルも古いままだ。サウナはもちろんシャワーブースもない。
小金井市にただ一軒残った銭湯はちょっと狭い。脱衣所ではロッカーの前に立った人の後ろを通るのは難しいし、浴室は奥行こそあるが天井が低く、開放感があるとは言えない。
だが小金井市にただ一軒残った銭湯にはぬくもりがある。湯のぬくもり、青森ヒバの木のぬくもり、そして番台のぬくもり。
小金井市にただ一軒残った銭湯… できるだけ長く続いてほしい。
ぬくい湯 (小金井1番)
東京都小金井市貫井北町3-4-4
042-383-5757
営業時間 16:00~23:00
定休日 5、15、25日(日曜、祝日は翌日休)
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