久米川湯（東村山市）

「ツール・ド・銭湯2009」第13ステージは6月15日（月）、東村山市の「久米川湯」。

西武新宿線久米川駅の北に都営東村山本町アパートという「アパート」と呼ぶにはあまりにも立派な集合住宅群がある。そしてその東端には美容室、床屋、魚屋、豆腐屋などごく数軒の商店が集まった一角がある。その中でひときわ大きな建物が久米川湯である。




建物は瓦屋根の木造。屋根には三角形の小屋根があるが、こういうのもやはり破風というのだろうか？




入口は通りに面しておらず、煙突が聳える上を見なければここに銭湯があることに気付かないかもしれない。隣のコインランドリー前に自転車を停め、牛乳石鹸の暖簾をくぐる。両サイドに下足箱があって、正面左側に引き戸の入口がある。入口を入るとフロント。一見して番台改造型とわかる。右側が女湯への入口、左側が男湯だ。ロビーのようなスペースはない。フロントは若おかみといった感じの女性。にこやかに迎えてくれる。

脱衣所は10畳ぐらいの広さ。外壁側はガラス窓になっていて外は坪庭のようになっている。木製の長椅子が窓側、合成皮革貼りのものが男女境側に置かれている。ほかにはマッサージチェアが新旧1台ずつ、年季の入ったアナログ体重計、テレビ、ドライヤー（1回10円）、ティッシュペーパーが備え付けられている。

ロッカーは浴室入口の対面の壁に6列×3段。島ロッカーが6列×2段×2面の計42箱。いずれも3:4タイプで縦長タイプはなし。このほかに月極めロッカー（200円／月）が数十箱ある。脱衣カゴは置かれていない。

それでは浴室へ。浴室はなかなか広い。桶は黄色ケロリン、椅子はプラスチック製の家庭用としてよく販売されているものだ。

カラン配置は仕切り壁側より7+(7+7)+5、全箇所シャワーヘッド付き。シャワーブースは外壁側に2箇所。ただし衝立がなく、小中学校のプールにあるような感じなので「ブース」と呼ぶのはちょっと違う気がする。

浴槽は2層式。向かって左がバイブラとジェット。右が深湯。バイブラは大人4人が足を伸ばして入れる大きさ。ジェットはSUS枕付き。中央の手すりで2人分に仕切られている。底が深く、座ると足裏とふくらはぎにも水流が当たるようになっている。湯温計は44°Cを指していた。深湯は2～3人分の大きさでやや深めに思える。こちらは45°C。一般的には熱めだが、このくらいがわたしの好みだ。サウナはないが、外壁側カランの裏に水風呂がある。


裏には燃料の廃材がたくさん

建物の古さは否めない。壁にはところどころにペンキの剥がれが見られ、かれこれ6年近く描き換えられていないペンキ画も同様だ。しかし浴室内のタイルはきれいで、清掃状態は申し分ない。


駐車場は建物右を抜けた奥にある

駐車場は建物の右裏奥に数台分あるようだ。自転車はコインランドリー前の狭い路地に停めることになるが、スペースに困ることはないだろう。

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わたしが入浴しているときはちょうど一番風呂を楽しまれた常連さんと入れ替わる頃で空いていたが、脱衣所で汗を拭いている頃になると次々とお客さんが入ってきた。そのうちに「おう、雨が降ってきたぞ」と言う人がいて、「夜になるまで降らねぇって（天気予報で）言ってたのに」なんて話が顔見知り同士で始まった。

さすがにそこに加わる勇気はないし、なにより本降りにならないうちに帰りたいのでわたしは慌てて身支度を始めた。

昔はほとんどすべての銭湯がそうであったように、久米川湯は近所の人たちの社交場のような場所である。わたしがそういう場に慣れてきたのか、それともこのときの相客が親しみやすい人たちだったのかはわからないが、よそ者のわたしをも包み込んでしまいそうなほどアットホームな雰囲気であった。


久米川湯
東京都東村山市本町4-19-11
042-391-2939
営業時間 15:30～24:00
定休日 水曜


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